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【マイ・オピニオン】 
“待ったなし”マイナンバー制度導入への企業対応

制度の理解は進むものの、対応企業は1割を切る

マイナンバー制度が、いよいよ2016年1月からスタートする。

2015年10月からは個人番号および法人番号の通知が開始され、企業におけるマイナンバー制度への適切な対応が“待ったなし”となった。

この通知を境に、マイナンバー制度のついての報道が連日行われるようになった。「マイナンバー制度とは?」「会社としてどう対応すればよいのか?」「管理システムに問題はないのか?」、はたまたあるニュースでは「経費を抑えるために、マイナンバーを保管するためのロッカーのスペアキーをつくる会社が増えています」・・・。

マイナンバーを保管するクラウドサービスや金庫など、各社から企業対策に備えたシステムや商品が数多く出ている。こうした状況から、マイナンバー制度の認知・対応は進んでいるように見える。

だが実際には、マイナンバー制度の内容の認知は高まっているものの、とりわけ中小企業において対応・対策が遅れている、と指摘する向きが多い。

帝国データバンクが発表した、「マイナンバー制度に対する企業の意識調査」の結果が興味深い。

  • 全国2万3,173社(有効回答数は1万838社)を対象
  • 有効回答数のうち大企業2,355社、中小企業8,483社
  • 2015年11月17日付
マイナンバー制度への企業対応
帝国データバンク
「マイナンバー制度に対する企業の意識調査」より

マイナンバー制度について「内容も含め知っている」という企業が75%(4月調査より31.5ポイント増)にのぼる一方、「対応を完了した」企業は6.4%にとどまった。制度の理解は得られているものの、対応の遅れは否めない。

制度への対応を完了した(あるいは進めている)企業は7割を超えていた。進捗率は平均47.6%。ただし完了した企業は6.4%と、1割を下回る結果となっているのだ。

神戸商工会議所が発表した意識調査でも、会員企業の過半数が「対応できていない」と答えている。(以下は神戸新聞記事より引用)

マイナンバー制度への対応について神戸商工会議所(神戸市中央区)が会員の中小企業などに行った調査で、「準備していない」「準備する予定はない」との回答が計53.2%に上り、過半数の企業が対応できていない実態が浮き彫りになった。「準備している」は42.8%にとどまった。

神商議が9月に開いたマイナンバーに関するセミナーで参加企業に調査した結果をまとめた。204社に尋ね、75.5%が回答した。

6月にも同じ調査を実施。その時点では「準備していない」「準備する予定はない」が計76%、「準備している」が15.2%だったことから、徐々に理解は広がってきている。

今回の調査で、最も多かった回答は「準備していない」の51.9%だった。準備しているとした企業でも「完了していない」が33.1%、「おおむね完了」が9.1%で、「完了」は0.6%だけ。

また、対応で困っている点としては「個人情報漏えい防止」「業務の煩雑さと事務量増加」「社内規定の修正」「制度の情報量不足」が目立った。

神商議中小企業振興部は「セミナー参加者は、対応しようと考えている経営者が中心なので、実態はもう少し低調かもしれない」と分析。「セミナーや専門窓口の紹介などを通じてサポートしたい」としている。(佐伯竜一)

(神戸新聞 マイナンバー、企業の半数以上「準備せず」 2015年11月18日付)

この現象は決して神戸だけのものではないだろう。名古屋で調査しても、おそらく同様の結果になると考えられる。とりわけコストがかかる「マイナンバー対応システムの導入」には、多くの中小企業経営者が対策に頭を抱えていることだろう。

北見事務所は自社にマイナンバー金庫を導入

  • 名古屋の北見事務所は、金庫を8月末日に導入完了しました。金庫は高さ180センチ、幅100センチ、奥行き80センチ。重さ780キロ。それが2台入りました。この中で、顧客からお預かりした大切なマイナンバーを厳重に保管します。
  • 顔認証で解錠します。
  • バーコートシステムを同時に導入しました。顧客からお預かりしたマイナンバー一人ひとりにバーコードを貼り付けます。「誰のマイナンバーを、いつ、誰(職員)が、何のため(雇用保険等の手続き名)に使用したか?」という記録を残すためです。マイナンバーのガイドラインが求めている基準を忠実に遵守します。

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